2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『トイ・ストーリー3』リー・アンクリッチ

ピクサー映画『トイ・ストーリー3』鑑賞。聞きしに勝る傑作だった。既に呆気に取られるほどの高みに到達しているCG表現でもって、ありとあらゆるアクション&パロディが繰り広げられる。素直な明るさと楽しさがあり、それでいてゾッとするような深淵がある…

『パフューム ある人殺しの物語』トム・ティクヴァ

トム・ティクヴァ『パフュームある人殺しの物語』鑑賞。ジュースキントの原作『香水』が好きなので、不安を抱えつつ鑑賞してみたのだが、悪くなかった。主人公のグルヌイユが去ると、関わった人間達は原作通りの速やかさで(残り香の如く)きちんと消滅して…

『雪の轍』ヌリ・ビルゲ・ジェイラン

ジェイラン『雪の轍』鑑賞。イスタンブールを「彼方」として抱き、カッパドキアのホテルを舞台として繰り広げられる会話劇。経営者で資産家の男性を主役に、慈善事業にのめり込む若妻、離婚して出戻ってきた妹、使用人、賃借人一家など、様々な階級・職業の…

『ズートピア』バイロン・ハワード&リッチ・ムーア

ディズニー映画『ズートピア』鑑賞。これは凄い。「擬人化された動物」という設定が、ここまでの必然性/迫真性を帯びている例は、ちょっと他に無いのではないか。 本作に登場する擬人化動物たちは、時に擬人化への疑問を呈し、時に擬人化を解除され、それで…

『戦火の馬』スティーブン・スピルバーグ

スピルバーグ『戦火の馬』を鑑賞。克明な戦争描写の一方で、死や流血の瞬間は一切映り込まず、馬の演技もファンタジック。こういう「過酷な現実」と「ジュブナイル的な空想」の奇妙な融合は、スピルバーグ映画の魅力を本質を成すものであり、そういう意味で…