映画:サ行

『スリ〈掏摸〉』ロベール・ブレッソン

ブレッソン『スリ』鑑賞。『罪と罰』映画版といった趣で、貧しい青年が超人思想に基づいてスリに手を染めるも、社会的制裁を加えられ、無垢な女性によって魂を救済される…という筋書なのだが、『罪と罰』の真の主役がそのハイテンションな記法であり、物語の…

『ズートピア』バイロン・ハワード&リッチ・ムーア

ディズニー映画『ズートピア』鑑賞。これは凄い。「擬人化された動物」という設定が、ここまでの必然性/迫真性を帯びている例は、ちょっと他に無いのではないか。 本作に登場する擬人化動物たちは、時に擬人化への疑問を呈し、時に擬人化を解除され、それで…

『戦火の馬』スティーブン・スピルバーグ

スピルバーグ『戦火の馬』を鑑賞。克明な戦争描写の一方で、死や流血の瞬間は一切映り込まず、馬の演技もファンタジック。こういう「過酷な現実」と「ジュブナイル的な空想」の奇妙な融合は、スピルバーグ映画の魅力を本質を成すものであり、そういう意味で…